ヱビスフォト

ken_pro
2025/07/15 06:02

読書のあとの箕面ビール(Blooming IPA)

小川糸「小鳥とリムジン」(2024年・P302)

苦しい環境にあり、人を信頼することをあきらめ、自分の人生すらもあきらめていた主人公が、かけがえのない人たちと出逢うことで自らの心と体を取り戻していく。

人と接することが得意ではない小鳥は、心惹かれつつも長らくお店のドアを開けられずにいた。
十年ほど前、家族に恵まれず、生きる術も住む場所もなかった18歳の小鳥に、病を得た自身の介護を仕事として依頼してきたのは、小鳥の父親だというコジマさんだった。
病によって衰え、コミュニケーションが難しくなっていくのと反比例するように、少しずつ心が通いあうようにもなっていたが、ある日出勤すると、コジマさんは眠るように亡くなっていた。
その帰り、小鳥は初めてお弁当屋さんのドアを開ける――(解説より)

「食堂かたつむり」「ライオンのおやつ」小川糸が描き出す、3つめの「生」の物語とあります。主人公の小鳥が小・中学時代、シングルマザーの母親と連れ込んだ大人達に辛い思いをさせられます。15歳で家出をして児童養護施設に逃げ込むのが切ない。人を信じることが出来なかった小鳥が、徐々に心を開いていく姿が上手く描かれています。最終章(第7章・凹凸)で、恋人の理夢人(リムジン)との凹凸の話は好みではありませんでした。

読書のあとは美味しい箕面ビール(ブルーミングIPA)。

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1 件の返信 (新着順)
ループトンネル
2025/07/15 06:16

すてき。