昔々、ある牧場に一頭の仔馬がおりました。
生まれた時から足が長い。
「おお、これは走るぞ」
牧場の人が言う。すると隣の馬が、
「いや、足が長いだけかもしれません」
現実的なことを言う。
まあ馬の世界にも評論家はおります。
さて、その仔馬、
名を「マイユニバース」と申します。
ずいぶん大きな名前ですな。
「宇宙は俺のものだ」
そんな勢いでございます。
ところが馬自身は、
「ニンジンくれ」
くらいしか考えておりません。
やがて成長し、競走馬となる。
朝早く起きて走る。
昼も走る。
雨でも走る。
人間なら「労働基準法違反です」
と訴えるところですが、
馬は黙って走る。
立派なものでございます。
レースの日。
ファンファーレが鳴る。
ゲートが開く。
ドドドドドドッ!
と駆け出す。
観客は叫ぶ。
「行けー!」
馬は思う。
「言われなくても行くよ」
もっともでございます。
勝つ日もある。
負ける日もある。
掲示板に載る日もあれば、
画面の端っこを走っている日もある。
人生と同じですな。
いつも一番とはいかない。
けれど一歩一歩、
自分の脚で前へ進む。
やがて月日が流れる。
若かった馬も年を重ねる。
あんなに速かった脚も、
少しずつゆっくりになる。
それでも走る。
なぜか。
馬だからです。
実に潔い。
そしてある日。
マイユニバースは、
最後のレースを終えたか、
あるいは静かな牧場で空を見上げたか。
その目に映る空は、
生まれた頃と同じ青空だったかもしれません。
ファンは言う。
「ありがとう」
関係者も言う。
「お疲れさま」
馬はたぶん言う。
「ニンジンある?」
最後まで馬でございます。
けれど不思議なもので、
走り去った馬の姿は、
いつまでも人の心に残る。
ゴール板を駆け抜けた瞬間も、
必死に追い上げた直線も、
勝った日も負けた日も。
すべてが思い出になる。
ですから、
夜空を見上げた時、
ひとつ星が駆けていくように見えたなら、
「ああ、マイユニバースが走っているな」
そう思っていただきたい。
名前の通り、
今度は競馬場ではなく、
今は宇宙いっぱいを駆け回っているのでございましょう。
My Universe, forever....
R.I.P.

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宇宙で楽しく駆け回れますように💐