第6回 ふたつの老舗ブランドのタッグから広がる、ビールとウイスキーの可能性

ビールと比較されて表現されることも多いウイスキーですが、ビールとウイスキーが重なり合うことでさらなる可能性が見出されることをご存知ですか?
ヱビスは2025年、ともに100年以上の歴史を持つDewar’sと共に、ウイスキーの熟成に使われた木樽で寝かせたスペシャルコラボレーションビール「Key of the Night -Barrel aged-」を完成させました。
第6回 ヱビスビアカレッジでは、先日の「Key of the Night -Barrel aged-」先行試飲パーティー「UNLOCK THE NIGHT」で開催された、ヱビスブランドのChief Experience Brewer・有友亮太氏とDewar’sのマスターブレンダー、ステファニー・マクラウド氏のトークセッションをレポート。
伝統を受け継ぐふたりのプロフェッショナルが語る、ウイスキーとビールの新たな可能性とは?
※この投稿の最後にビヤカレッジ学位認定試験のお知らせがあります。併せておたのしみください。

Dewar’sのなめらかな味わいがヱビスと美しく融合した「Key of the Night –Barrel aged-」
――「Key of the Night –Barrel aged-」はどのようなビールですか?
有友さん: YEBISU BREWERY TOKYOの1周年を記念し、ともに100年以上の歴史をもつヱビスとDewar’sのブランド知見と味わいを融合するプロジェクトから生まれたビールです。ビールとウイスキーの垣根を超えたコラボレーションの目玉として、今回、バーレーワインタイプ(※1) のビール「Key of the Night」を「デュワーズ12年」の木樽で熟成させた「Key of the Night –Barrel aged-」を開発しました。
※1:一般的に通常よりも長い熟成期間をかけて造られるどっしりとしたフルボディのビアスタイル 

――今回ヱビスとコラボしたウイスキーブランドDewar’sについて教えてください。
ステファニーさん:Dewar’s(デュワーズ)は、1846年にスコットランドで創業された170年以上の歴史をもつブレンデッド・スコッチウイスキーです。世界中で愛飲され、日本ではスコッチウイスキーのブランドとしてNo.1の地位を誇っています。熟成させたモルトウイスキーとグレーンウイスキーをブレンドした後、再び樽に戻して追加熟成させる”ダブルエイジ製法”が特徴で、そこから生み出されるなめらかな味わいが魅力です。

――今回、「Key of the Night –Barrel aged-」の熟成に用いられた樽について教えてください。
ステファニーさん:「Key of the Night –Barrel aged-」の熟成に用いたのは、実際に「デュワーズ 12年」を熟成させていた樽。数あるデュワーズの樽から厳選したものをスコットランドから日本へ空輸し、ビールを熟成するフィニッシュの工程に使用しています。
 
――Dewar’sの中でも、「デュワーズ 12年」の樽が選ばれた理由は?
ステファニーさん:「デュワーズ12年」こそが、ヱビスの上品で奥深い味わいをさらに引き立てる理想的な選択だと考えました。「デュワーズ12年」は、ファースト・フィル・バーボンカスク(※2)で後熟されており、バニラのニュアンスを加え、さらにまろやかなフレーバープロファイルを実現したウイスキー。そのまろやかでまるみのある味わいが、ビール本来の個性を損なうことなく美しく調和するのです。
※2:ウイスキーの熟成としては初めて使用されるバーボンの古樽 

多くの困難を乗り越え実現した、会社初のウイスキー木樽熟成
――熟成はどのように行われたのでしょうか?
有友さん:YEBISU BREWERY TOKYOの醸造設備で醸造し、ステンレスタンクで熟成した「Key of the Night」をポンプで「デュワーズ12年」の木樽に移送。木栓をして熟成しました。熟成中は定期的にサンプリングして分析と香味確認を実施、香りと味わいから熟成が十分と判断されたタイミングで製品化しています。
――今回のプロジェクトで苦労したポイントは?
有友さん:ウイスキーの木樽を用いて熟成したビールの製造は当社として初めての試み。ノウハウもないなか、お客様にお届けできる品質でどのように製造するのか、本当に多くの課題がありました。
特に時間をかけたのが、「デュワーズ12年」のファースト・フィニッシュ・バーボンカスクという素晴らしい木樽で熟成するための、元となるビールの味わいの選定です。熟成するビールについては、熟成後の味わいだけでなく熟成中の品質維持も考慮して設計する必要があります。そういった観点からアルコール度数が高く、熟成後もウイスキー樽のニュアンスに負けない味わいであるバーレーワインタイプを選定しました。
幸い、以前から作りこんでいたバーレーワインタイプのビール(現在の「Key of the Night」)があり、昨年、ステファニー氏が来日された際に試醸していたサンプルを試飲いただき採用を決めました。
 

「Key of the Night –Barrel aged-」から広がるウイスキーとビールのさらなる可能性
――完成した「Key of the Night –Barrel aged-」はどのような味わいですか?
有友さん:「Key of the Night」とは全く別物の香りと味わい。炭酸が抜けたことで舌触りにも変化があり、より麦のワイン、ウイスキーとしての特長が備わったと思います。レーズンのような香りに微かに「デュワーズ12年」のファースト・フィル・バーボンカスクの芳醇な香りが融合し、大人の夜にゆったり味わうお酒としての完成度が上がったと感じます。
 

ステファニーさん: 「デュワーズ12年」の樽がヱビスビールと見事に調和し、素晴らしい仕上がりとなっていると思います。樽香が強すぎず、調和した味わいは予想通り。一方で、驚いたのは、ビールの繊細な味わいの部分までしっかりと残っていることです。少なからず熟成の期間はあるので、その間に繊細さが失われることもあるかと思ったのですが、ヱビスならではの個性はしっかりと残り、「デュワーズ12年」の繊細な樽のニュアンスが完璧に溶け込んでいました。その結果、複雑なフレーバーの層を楽しめる、まさに唯一無二のビールが生まれたと感じています。
特に注目していただきたいのは、後味にやさしく残るデュワーズの樽香です。ビールの爽快な味わいのあとに広がる余韻ある樽のフィニッシュを、ぜひじっくりとご堪能ください。

――今回のプロジェクトを通して、ウイスキーとビールの関わりに感じた可能性について教えてください。
有友さん:このプロジェクトを通して、ステファニーさんをはじめウイスキー業界の技術者、バーテンダーさんとお会いすることで、改めてお酒の世界の深さを学ぶことができました。それぞれのカテゴリーの持つ魅力をエッセンスとして、開発するビールに活かしていきたいと思います。またいつか皆様にお届けできるよう勉強しながら醸造を続けます。
 
ステファニーさん:有友さんのようなビールの醸造家の方とお話しすることは多くはないのですが、だからこそ面白いアイデアやディスカッションの機会が生まれ、新たな視点を得ることができました。その中で生まれたこの「Key of the Night –Barrel aged-」を、この場の多くの方々に楽しんでいただけることを大変うれしく思っています。今後もデュワーズのさらなる進化のために、全力を尽くしてまいります。
 
イベント当日は、トークセッション以外にも「Key of the Night -Barrel aged-」のお披露目とともに、実際に味わっていただける特別な機会をご用意。「大人カジュアルな街の食堂」をコンセプトに、恵比寿ガーデンプレイスで親しまれ、ヱビスのCMにも登場した注目のレストラン『Atelier LaLa』さんが、この日のために特別なお料理をご提供くださり、そのマリアージュをご堪能いただきました。特別なヴァイオリン演奏や、プレゼント抽選会も実施され、すてきなひとときをお過ごしいただきました。ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。

「Key of the Night –Barrel aged-」
YEBISU BREWERY TOKYOにて10月15日(水)より販売中。

「Key of the Night -Barrel aged-」は、YEBISU BREWERY TOKYO にて2025年10月15日(水)より数量限定発売。なくなり次第終了となります。また、YEBISU BREWERY TOKYO では、2025年4月に発売された「Key of the Night」も楽しむことができるので、ウイスキー樽熟成前後の美味しさの違いを飲み比べてみてはいかがでしょうか。
開発秘話はこちらから>
 
■カレッジバッジのお知らせ
イベントレポートを読み、本投稿に感想をコメントしてくださった方にはカレッジバッジをお贈りします。カレッジに参加した回数に応じて、付与されるバッジが変わりますのでチェックしてくださいね。
 

 

【バッジ付与対象となるコメント投稿期間】
2025年10月31日(金)~12月15日(月)23:59まで
※バッジは2026年1月中に付与予定です。
 
■第6回ビヤカレッジ学位認定試験 実施中
今回はカレッジのイベントレポートをもとにクイズに答える学位認定試験も実施中です。
正解した方には、ヱビスの学位認定の証としてバッジをプレゼント🥉
ぜひ学位認定試験に挑戦してみてください。
 

 
 
               
    
 
    
   
     
     
     
    
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投稿を表示香りが良く大人の味わい、いただきたいですね!
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投稿を表示香りでだけでも大人になった気分にさせてくれそう
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投稿を表示記事の内容に触発されて、手元にあった「ヱビス」と「デュワーズ12年」でBoiler Makerを作ってみたのですが...本物はどれほど素晴らしい味わいなのか益々気になりました。
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投稿を表示味わいや香りが気になります。
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投稿を表示ビールとウイスキーのコラボレーション。
レポートを読むほどに、興味がわいてきます。
ビールの繊細な味を残しつつ樽香の余韻に。。。飲んでみたいです
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投稿を表示バーレイワイン発祥国は英国と伺っておりますので、スコットランドから届いた樽との相性も良さそうですね👍
お味が気になります!!
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投稿を表示ウィスキーの香りは好きだけど炭酸の抜けたビールはどうなんだろう、と思ってましたが、レポート見たら飲んでみたくなりました😄じっくり味わって飲みたいですねぇ