ken_pro
2025/09/02 06:01
読書のあとの箕面ビール(サマーラガー)
深緑野分「この本を盗む者は」(2020年・P344)
「ああ、読まなければよかった! これだから本は嫌いなのに!」
書物の蒐集家を曾祖父に持つ高校生の深冬。父は巨大な書庫「御倉館」の管理人を務めるが、深冬は本が好きではない。ある日、御倉館から蔵書が盗まれ、父の代わりに館を訪れていた深冬は残されたメッセージを目にする。“この本を盗む者は、魔術的現実主義の旗に追われる”
本の呪いが発動し、街は侵食されるように物語の世界に姿を変えていく。泥棒を捕まえない限り世界が元に戻らないと知った深冬は、探偵が銃を手に陰謀に挑む話や、銀色の巨大な獣を巡る話など、様々な本の世界を冒険していく。やがて彼女自身にも変化が訪れて――。(解説より)
深緑野分さんは個性的な小説を書いていて好きな作家さんです。’15年「戦場のコックたち」、’18年「ベルリンは晴れているか」、’22年「スタッフロール」とリアルティのある面白い作品を出していました。なんと3本とも直木賞候補作です。今回も期待していましたが、まさかのファンタジー物語。いつ面白くなるのかと2週間もかけて長編を読み続けましたが、ついに現れず苦行を味わいました。次回は「スタッフロール」のような感動作を期待します。
苦行読書のあとのサマーラガーは美味しい。
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