
凪良ゆう「多類婚姻譚」(2026年・P320)
第175回 直木賞候補作
一番近くにいる他人-こいびと-。どうして結婚はこんなに難しくなってしまったのだろう。
「流浪の月」「汝、星のごとく」で二度の本屋大賞を受賞した著者が描く、今そこにある愛のかたち。
セクシュアリティ/ジェンダー、金銭感覚、世代間格差、成育環境……
あらゆる価値観の対立の中で現代を生きるわたしたちの祈りと叫び。
【収録作 紹介】
「Thank you for your understanding」
家族の期待に応え、ついに恋人と帰省する決意を固めた華。
「Beautiful Dreamer」
結婚したい。ありふれた夢のはずなのに、東京ではこんなにも遠い。
「小鳥たち」
離婚して、実家の書店を継いだ一葉。そこに偶然、初恋の人がやって来て--。
「Position Talk」
入籍を目前にした男女。性差を越え、個としてわかり合える日は来るのか。
「C'est la vie」
仕事も恋も、魂を分けあった二人。だが、夢のような時間にはいつか終わりが来る。(解説より)
連作短編5篇。結婚をテーマとした5篇。
第1話の「Thank you for your understanding」が一番良くて印象に残っています。今まで見ていた情景が一瞬で変わる鮮やかさ。歌舞伎の舞台で衣裳が一瞬で変わる技(引き抜きというそうです)のようで見事でした。
凪良ゆうさんは、本屋大賞2回、直木賞候補2回になりました。次回の直木賞に期待しながら応援をしています。
読書のあとは、美味しいヱビス(澄深し)