2/20に発売されたばかりのヱビスブランド新ライン、クリエイティブブリュー開発者の有友亮太が第3回ヱビスビアカレッジ（オンラインイベント）に出演することになりました。
彼の肩書は「Chief Experience Brewer」。いったい何をする人なのか…!?
気になるお仕事内容から人となりまでをヱビスビアタウン企画課がインタビューします。

考古学にも通じる!?Chief Experience Brewerとは

――Chief Experience Brewer（チーフ・エクスペリエンス・ブリュアー）という肩書をもつ有友さん。普段はどんなお仕事をしているんですか？

有友さん　普段はビールの味の方向性や材料の配合を決めていく、いわば「レシピ」を書く仕事をしています。基本的には企画担当から出てきたコンセプトをもとに開発を進めるのですが、今回ヱビスビアカレッジで解説するクリエイティブブリューという新ラインでは、コンセプトも含めて企画担当と協力し、イチからビールを開発しています。

――――入社から10年で大抜擢ですよね。新ラインのお話もぜひお聞きしたいのですが、有友さんご自身についてまずは聞かせてください。そもそも有友さんはどうしてサッポロビールに入社されたのですか？ 
有友さん　実は、小さい頃は歴史や遺跡に興味があったので子供時代は考古学者になりたいと思っていました。調べたり、研究したりといったことが好きだったのです。その流れで理科も好きになり、微生物や発酵に興味をもって大学ではヨーグルトについて研究をしていました。研究対象としても、食べる発酵食品としてもヨーグルトは好きでしたね。そして、そこで学んだ発酵や食品の知識を活かそうと思い、発酵食品であるビールを製造・開発するサッポロビールへ入社しました。

――入社前からビールはお好きだったのですか？
有友さん　入社するまでもビールは好きでしたが、銘柄に特にこだわりがあるタイプではありませんでした。ヱビスはお正月などのハレの日に飲むプレミアムなビールという印象で、入社後に改めて歴史や技術的な背景を知っていくなかでどんどん好きになっていきました。

――ヱビスの歴史や技術的な背景にはどのように触れていったのでしょうか？
有友さん　入社後まずは北海道工場に配属され、ビールの醸造工程（仕込やろ過を行う工程）の中でも香味（こうみ）管理を担当していました。毎月、サッポロビールの全工場で作られる同じ品種を並べて香味の確認をし、課題があれば工場に持ち帰って改善を進めるという仕事です。ホップの投入量や発酵するときの温度や時間のコントロールなど、全体の味をつくる細かい検証をしていく中で、技術的な背景にも触れられました。

――責任重大！まさに私たちが楽しんでいるヱビスの香味を決めるお仕事ですね。
有友さん　同時に歴史あるブランドを担当するにあたり、より当社の歴史について深く学ばなければならないと感じました。幸い、調べたり研究したりすることが好きだったこともあり、ヱビスの紡いできた長い歴史に触れることでより探求心を掻き立てられましたね。そうした経緯もあり、工場勤務後は酒類技術研究所（現価値フロンティア研究所）に異動して酵母に関する研究を行っていました。

独学でドイツ語を習得し、本場ドイツに留学。さらにはブリューマスターに！
ドイツのビール文化＝日本のラーメン文化!?

――その後、ドイツ留学でブラウマイスターの資格を取られ、その後研究機関にてブリューマスターの資格を取られたとお聞きしました。
有友さん　学生の頃から海外留学には興味があって、会社に入ってからはビールの本場であるドイツで勉強したいということは思っていました。海外のビール文化って、日本のビール文化とはまた方向性が異なりますからね。それと……ここだけの話ですが、もともとサッカーが好きなので本場のサッカーに触れたいというのも留学の裏目標でした（笑）。

――趣味にもお仕事にもぴったりの留学先ですね（笑）言語の壁もあったのではないでしょうか？
有友さん　ドイツ語は独学して、2回の試験を経てドイツ留学が決まりました。現地ではまず語学学校に通い、次にベルリンにあるVLB berlinというビールの醸造に関する研究教育機関で学びました。ビールに関する基礎知識はもちろん、ビールの成分の分析やパッケージング、設備に関することまで、自分でビールを醸造したり醸造所を作ったりするために必要なことを教えてもらいましたね。

――ドイツのビールを体験していかがでしたか？
有友さん　ドイツのビールはへレスやシュヴァルツなど伝統的な味だけでなく、旧東ドイツ領のほうではサワー系のゴーゼが伝統的に製造されているなど、地域や文化の違いでビールの味が異なるのが面白かったですね。クラフトビールも本当に種類が多くて400種類以上飲みましたが、それでもまだまだ飲みきれない。現地はラーメンの暖簾分けみたいなイメージで、受け継がれながら派生していっているので本当に無数にあるんです。

――400種類以上！その研究の原動力となるものは何でしょうか？
有友さん　原動力は好奇心です。もともと考古学者になりたかったほど文化や文明、歴史が好きだったので、その好奇心がビールを深く知ることへの原動力になっていますね。

そんな有友さんが開発を担ったのが、この度デビューしたヱビスブランドの新ライン「クリエイティブブリュー」の第一弾「ヱビス ニューオリジン」。有友さんの感性に加え、130年にわたるヱビスの歴史をとことん紐解いて完成したのだとか。その開発の舞台裏に第3回ヱビスビアカレッジで迫ります。

サッポロビール本社の書庫に眠っていた事実を基にレシピ開発!?
130年にわたる歴史と新しさが詰まったヱビス ニューオリジン

――オンラインイベントの前に、少しだけ聞かせてください。そもそもクリエイティブブリューとはどんなラインなのでしょうか？
有友さん　「つくろう、驚きを、何度でも。」というコンセプトのもと、今までのヱビスの制約にとらわれない、新たなビールのおいしさや楽しさに挑戦していく新ラインです。金のヱビスでは伝えきれないヱビスの魅力をクリエイティブブリューで補完し、皆さんに楽しんでもらいたいという想いで作りました。クリエイティブブリューの「クリエイティブ」は攻めていく、発信していく、いろんなスタイルを出しているブランドであることを表現しているキーワードです。新しいものにチャレンジするという意思をこのキーワードに込めています。
 

――クリエイティブブリューの第一弾「ヱビス ニューオリジン」についても教えてください！
有友さん　ニューオリジンの開発は、130年にわたるヱビスの歴史・歩みを調べるところから始まりました。本社地下の資料庫や研究部門の古い研究報告書が保管された書庫など、あらゆる資料をひっくり返して……。ここで興味深い事実が発見され、その事実がニューオリジンのレシピに反映されているのですが。それは、今度行われるヱビスビアカレッジ「ヱビス ニューオリジンを120%楽しむ方法」で詳しくお話しますね！

有友さんが出演する第3回ヱビスビアカレッジは3月25日（土）に開催！

3月25日（土）18時から、有友さんが出演する第3回ヱビスビアカレッジが開催決定。当日は有友さんが開発に携わったヱビスビールの新ライン「クリエイティブブリュー」の第一弾商品「ヱビス ニューオリジン」の味の特徴や楽しみ方、食事とのペアリングのポイントなど、魅力を余すところなくお伝えします！

――さいごに、ビアカレッジに参加される方へ一言お願いします。
有友さん　今回のヱビスクリエイティブブリューは、ヱビスファンの方に喜んでいただくのはもちろん、これまであまりヱビスを飲まれてこなかったお客様にも、クリエイティブブリューを入り口にして、ヱビスブランドにも興味を持ってもらえるようにしていきたいと思っているラインです。チャレンジングな商品であるとは思いますが、ポッと出たような点で出すものではなく、ヱビスの歴史などの魅力を踏まえた線で出していく商品ラインの第1号として「ヱビスニューオリジン」は自信をもって作れたと思っています。ヱビスビアカレッジでは皆さんが「ヱビス ニューオリジン」を飲まれた感想をぜひお聞きしたいです。当日はYEBISU BARのシェフにニューオリジンに合うレシピも教えてもらいながら、僕自身が一番合うと思う料理もご紹介する予定です。お楽しみに！

 第3回ヱビスビアカレッジ【ヱビス ニューオリジンを120％楽しむ方法】

※ビアカレッジへの参加申し込みは終了いたしました。